ここでは、内容証明郵便を自分で出す方法を、詳しく解説いたします。
当事務所が作成したテンプレート(文例)もご用意しましたので、ご自身の責任で適宜修正してご利用ください。

自分で債権回収を行う方法を知りたい方は、こちらをご覧ください。

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内容証明郵便とは?

誰が、いつ、どのような内容の文書を、誰にあてて差し出したかということを、郵便局で証明してもらって差出す郵便のことです。
同じ内容の書面を3つ作って、ひとつは相手方に送付され、ひとつは、郵便局に保管され、ひとつは手元に控えとして残します。
内容証明郵便を出す際は、必ず「配達証明制度」を利用し、相手方へ配達された日の証明もとっておくようにします。
以下では、単に「内容証明」といいます。

内容証明郵便をつかうことにどんな意味がある?

(1)証拠として利用できる

将来、裁判等を行うことになった場合、証拠として有効に利用できます。
内容証明郵便で出すことで、後日、相手方とその記載内容や文書が相手に着いた日を証明できます。
利息がいつから発生するか、とか、時効がいつから進むか、などの基準になる重要な日について、争いになることを防止できます。

(2)心理的な圧力をかける

内容証明は「宣戦布告」の意味があるといわれます。つまり、後日、証拠にするぞ、ということは、この通知を無視すれば裁判にするぞ、という意味を持つことになるわけです。
相手方に心理的な圧力をかけることで、相手を交渉のテーブルにつかせて、裁判等を起こさなくとも、速やかに、あまりお金をかけずに解決を図る糸口になります。
とりわけ、弁護士が代理人になって出す場合には、こちらの効果が大きいです。
ただ「喧嘩をうっている」という受けとられ方をして、相手が態度を硬化させることもあるので、本気のときだけにつかいましょう。

内容証明郵便の作り方

同じ内容の文書を3通作成します。
1通は、相手方に送られる文書です。
残りの2通は、謄本(原本の内容をそのまま全部写しとった文書のこと)と呼ばれ、郵便局と差出人がそれぞれ保管します。

書式や出し方にはルールがあり、差し出し方法によって異なりますので、後述します。

内相証明郵便の記載例(テンプレート)

当事務所が作った、相手方に対する請求書面のひな形を公開しております。
基本的な内容を記載しておりますので、適宜修正の上、自己責任にてご利用ください。

内容証明テンプレート(郵便局窓口用)>

内容証明テンプレート(e内容証明用)>

内容証明郵便の差し出し方法

内容証明郵便を出すには2通り方法があります。
インターネットの電子内容証明サービス(e内容証明)を利用する方法と、郵便局の窓口へ差し出す方法です。

(1)電子内容証明サービス(e内容証明)での差し出し方法

①事前準備(※初回のみ)
電子内容証明サービスを利用するには、無料の利用登録が必要です。
予め下記のホームページで登録手続をしてください。

>>郵便局の専用サイトはこちら

利用できるOS・ブラウザの種類

OSブラウザ
Microsoft Windows 8.1(32bit/64bit) Google Chrome 92.0.x
Microsoft Internet Explorer 11.0
Microsoft Windows 10(64bit) Google Chrome 92.0.x
Microsoft Edge 93.x
Microsoft Internet Explorer 11.0
iOS9.3.1 ※1 Safari
Andoroid6.0.1 ※2 Andoroid
標準ブラウザ

※OS・ブラウザに関して、環境設定によっては正常に動作しない場合があります。

②文書作成
e内容証明文書は、日本郵便が用意した雛形を使用して以下に定めるところにより作成します。
日本郵便が用意した雛形はこちら

文書作成ソフトMicrosoft Word 2013, 2016, 2019
文書枚数最大5枚まで
文字ポイントサイズ10.5ポイント以上145ポイント以下
用紙(余白)・A4縦置き・横書き(上左右:1.5㎝以上、下:7㎝以上)
・A4横置き・縦書き(上下右:1.5㎝以上、左:7㎝以上)
文字の種類JIS第一水準、第二水準範囲の文字を使用できます。これら以外の文字(第三水準、第四水準、外字など)は入力しないでください。
図・表 使用不可
文字装飾 太字・斜体のみのサポート
(その他装飾はエラーとなります)

③Webゆうびんの専用Webサイトにログイン
トップページでメールアドレス(会員ID)とパスワードを入力してログインし、e内容証明の「会員専用メニュー」をクリックします。
便利ツールにあるアドレス帳に、差出人・受取人を事前に登録することができます。

④内容証明文書のアップロードと差出人およびあて先の入力
「かんたん差出し」をクリックし、以下を指定します。
※「かんたん差出し」とは、差出人が1人で、受取人1人に対して1通の電子内容証明郵便を送ります。

文書 ②で作成した文書を選択します。
差出人 事前に登録した「アドレス帳から選択」または差出人データを入力します。
受取人 事前に登録した「アドレス帳から選択」または受取人データを入力します。
宛名の自動挿入 内容文書の本文に、差出人及び受取人の住所氏名を自動挿入するかを選択します。
「速達」「配達証明」「親展」の指定 差出人に対して、謄本の返信を「速達」にするかを選択します。
受取人に対して、原本に「速達」「配達証明」「親展」を付加するかを選択します。配達証明は必ず選択してください。

⑤登録内容の確認
④の作業が終わったら、「次へ進む」をクリックします。
文書の画像イメージが作成されるので、プレビュー画面で確認します。

⑥文書の最終確認
全ての文書に“済”マークが表示されていること、料金合計の確認が完了したら、画面右下の「差し出す」ボタンをクリックし、確認メッセージで「OK」をクリックします。

⑦支払・差し出し
事前に登録した決済方法により支払い、差し出し完了です。
自動的に内容証明文書が3部作成され、原本は受取人、謄本は差出人に郵送されます。受付完了画面が表示されたら、プリントアウトして保管してください。
※詳細はオンライン説明書「e内容証明操作マニュアル」をご参照ください。

(2)郵便局の窓口への差し出し方法

①文書の作成
以下の規定を満たすように、文書を作成します。

用紙 指定なし。大きさや種類は問いません。
記載用具 指定なし。手書きでもパソコンでも構いません。
形式 (横書きの場合)
・1行20字以内、1枚26行以内
・1行13字以内、1枚40行以内
・1行26字以内、1枚20行以内
(縦書きの場合)
・1行20字以内・1枚26行以内
枚数 自由
使用できる文字・記号 (1) 仮名
(2) 漢字
(3) 数字
(4) 英字(固有名詞に限ります。)
(5) 括弧
(6) 句読点
(7) その他一般に記号として使用されるもの
本文への捺印 必ず押さなければならないものではありませんが、通常は捺印をします。印鑑は、実印である必要はなく、認印や三文判でも構いません。
文字・記号の訂正、挿入、削除の方法 謄本の文字または記号を訂正/挿入/削除するときは、その字数及び箇所を欄外または末尾の余白に記載し、差出人の印を押印していただきます。この場合、その訂正/削除に係る文字は明らかに読み得るように字体を残していただきます。
契印 謄本の枚数が2枚以上にわたるときは、そのつづり目に契印をしていただきます。
謄本のつづり目に押印する印章は、封筒に記載された差出人の印章に限られます。ただし、差出人が1名のみの場合(複数でない場合)は、差出人の印章に代えて、「契印」等つづり目を明確に示すことができる印章を用いても構いません。
通数 同じ内容の文書を3通準備します。
同文であれば、3通を作成する方法は自由です。
3通とも手書きでも、カーボン紙による複写でも、コピーでも構いません。

②封筒の作成
相手方に送るためのものを1通準備します。
大きさ・種類は、どんなものでも構いません。
表に受取人の住所氏名、裏に差出人の住所氏名を、本文に書いた住所氏名と一致するように記載します。郵便局へは封をせずに持参します。

③郵便局窓口へ差し出し
内容証明郵便の取扱いがあるのは、集配郵便局及び地方郵便局長の指定する郵便局です。近隣の郵便局が取扱いしているかどうか確認し、取扱店に次のものを持参します。
窓口で「配達証明付の内容証明郵便にしてください」と申し出します。

  • 内容証明郵便として出す文書(同文のもの)…3通
  • 差出人および受取人の住所氏名を記載した封筒…1通
  • 内容証明料を含む郵便料金
  • 差出人の印鑑(訂正に備えて念のため持参します)

内容証明郵便にかかる費用

(1)電子内容証明サービスを利用する場合

最低かかる費用は以下のとおりです。
料金体系の詳細については、電子内容証明サービスのホームページをご参照ください。

最低かかる費用

  • 基本料金:84円
  • 電子郵便料金:15円
  • 内容証明料金:382円
  • 謄本送付料金:304円
  • 書留郵便料金:435円
  • 配達証明料金:320円
  • 合計:1,540円

速達にした場合は、速達料金もかかります。

(2)郵便局の窓口へ差し出しする場合

最低かかる費用は以下のとおりです。
料金体系の詳細については、日本郵便株式会社のホームページをご参照ください。

最低かかる費用

  • 内容証明料金:440円(2枚目以降は1枚あたり260円加算)
  • 普通郵便料金:84円
  • 書留料金:435円
  • 配達証明料金:320円
  • 合計1,279円

速達にした場合は、速達料金もかかります。

発送後について

相手に内容証明郵便が届けられると、届いた日付が記載された配達証明書(はがき)が届きます。
この配達証明書と内容証明の控えは、後日の証拠とするために、大切に保管してください。